四高日誌

2020年12月の記事一覧

【校長室だより 令和2年12月】


【校長室だより 令和2年12月】

 冬らしい寒さがしばらく続いています。21日の冬至を過ぎ少しずつ日が長くなっていくことを思うと、何かが良くなりそうな予感、期待感が生まれるのは身勝手でしょうか。

 先月下旬から3週間が正念場とされたコロナ第3波への対応でしたが、残念ながらこの効果はなかったようです。千葉県では、10日に一日当たりの感染者が150人と過去最多を更新し、その後も100人台を推移していましたが、22日に152人と再び最多を更新しました。GoToトラベルの一時停止や飲食店の時短営業要請などの対策が12月23日から1月11日まで講じられますが、これらの対策の効果が少しでも表れてほしいと望みます。

 学校が6月に再開されて以降、ここまで学校で私たちが講じてきた感染防止対策にはかなりの効果があったと考えています。県内複数の高校で感染が確認され、部活動を起因とするクラスターとなった学校もありましたが、「感染源を断つ・感染経路を断つ・免疫力を高める」という感染症予防の3原則を絶対におろそかにしてはならないことを再認識する必要があります。特に、飲食時、休憩時、更衣時に身体的距離を確保し、会話をしないことなどを徹底するよう終業式に確認しました。

 12日に修学旅行保護者説明会を体育館で開催し、約70名の2学年保護者の方の出席を得ました。11月20付の県教委の通知では、「県内又は旅行先における感染状況等により、生徒の安全確保が十分にできないと判断される場合には、無理に実施せず、改めて延期、旅行先の変更や旅行期間の短縮または中止の判断をすること。」とされていることを挨拶でお伝えしました。学年主任からは現時点での修学旅行の予定を説明し、それに伴うリスクについて日付やキャンセル料など具体的な数字を示して説明をしました。旅行業者さんには交通機関やホテルでの感染防止対策の状況や旅行保険等について説明してもらいました。保護者からいただいた質問や要望を踏まえて、説明会の内容について23日にすべての2学年保護者に文書でお伝えしました。1月中旬までに参加承諾の可否を集約する予定です。

 本日23日、第2学期終業式を放送で実施しました。補助プリント1枚を生徒に配付し、感染防止対策の徹底のほか次の2点について話しました。1点目は「三密」について、WHO世界保健機関ではそれを3Cs(3つのC)と表現していることと、密集にあたるCrowded places、密接にあたるClose-contact settings、密閉にあたるConfined and enclosed spacesという英語表現を紹介し、感染拡大を防ぐための対策として3Csを回避することが世界でも評価されていることを話しました。

 もう1点は、Black Lives Matter運動の広がりの中で、全米オープンテニス女子シングルスに出場し、犠牲者の名を記したマスクを身に付けて入場することで人種差別に抗議の意を表しながら、見事に優勝した大坂なおみ選手の言葉を紹介しました。
 “We can’t let the ignorance of a few hold back the progressiveness of the masses.”「一部の人の無知によりみんなの前進が阻まれてはならない。」人種差別についてみんなに考えてほしいと発したこのメッセージを、次のように変えて生徒に訴えました。「一部の人の無謀な行動によって、コロナ禍収束への前進が阻まれてはならない。」高校生として求められている一層の自覚的な行動を促しました。

 令和2年の子年が幕を閉じ、もうすぐ令和3年丑年が幕を開けます。新しい年がすばらしい年となることを、心の底から願います。受験生、最後まであきらめるな。

 令和2年12月
 校長 渡 邉 範 夫