校長日記 日々雑感

2024年3月の記事一覧

3月22日(金)3学期終業式 式辞

 皆さん、おはようございます。令和5年度も、実質的に今日で終了します。皆さんにとって、令和5年度はどんな1年だったでしょうか。1学期にも2学期にも、終業式の際、私は皆さんに「振り返りをしてほしい」と話をしてきました。今回は、1年間の区切りに当たり、じっくりと振り返るとともに、新年度に向けて良いスタートを切るために、いろいろと考えてほしいと思います。

 さて、今、世の中では、アメリカ大リーグの大谷翔平選手の話題で持ち切りです。昨年12月に、6年間在籍したエンゼルスから、同じロサンゼルスに本拠地を置くドジャースに移籍、その際の契約内容は10年契約、総額日本円で1015億円というもの。また愛犬のデコピンも何かと話題となりました。最近では結婚を発表し、このニュースも世界を駆け巡りました。このように、彼の一挙手一投足が大きな話題になる中、当の本人は、涼しい顔で練習や試合に臨み、しかもしっかり結果を出しています。韓国で行われた、ダルビッシュ投手のいるパドレスとの試合でも、打って走っての大活躍でした。

 今までに、日本人のスポーツ選手で、ここまで注目を集めた人は、おそらくいなかったと思います。また、今後、このような選手が出てくるかと言ったら、もしかしたら出てこないかもしれません。

 私が皆さんにお伝えしたいのは、皆が皆大谷選手を目指してほしいという事ではありません。昨年行われたWBCは日本中を熱狂の渦に巻き込むほど大いに盛り上がりましたが、大谷選手のほかにも、ダルビッシュ投手、村上宗隆選手、吉田正尚選手といった日本を代表する選手たちが活躍し、14年ぶりの世界一に輝きました。

 世界一になるには、今名前を挙げたような選手の活躍が欠かせなかったわけですが、選手たちの活躍の裏には、多くの人たちの支えがあったことを忘れてはいけません。日本代表に選ばれようと切磋琢磨した多くのプロ野球選手であったり、道具を用意する方々、ユニフォームを洗濯する方々等、いわゆる「裏方」と呼ばれる、多くの方たち全員が、「世界一を奪還するんだ」という共通の目標に向かい、自分のできることを精一杯行った、その結集が14年ぶりの世界一という形になったのです。裏方も含め全員が大谷選手だったら、全員がダルビッシュ選手だったら優勝できたかと言えば、それは何ともわかりません。人には向き不向きがあり、自分が何に向いているか、自分は何をすることで役に立つことができるのかを見極め、そのことに一生懸命に取り組むことができるかどうか、それが大変重要なことなのではないかと思います。少し言い方を替えれば、人それぞれが自分なりの目標を持つことが大事なのではないかと思います。目標を持つという事は、目指すべきものがあるという事です。人は目指すものがあると頑張れます。逆に目指すものがないと頑張り甲斐がありません。つまり頑張れません。どんな目標でもいい。大きくなくても、立派と思われなくても、もちろん人に言わなくてもいい。自分の目標を見つけ、その実現に向けて歩みだす、そんな春休みにしてもらいたいと願い、式辞とします。

卒業証書授与式 式辞

 学校の近くを流れる江戸川と その堤防沿いの風景に、かすかながら 春の訪れが感じられる今日の佳き日、保護者の皆様の御列席のもと、流山市立北部中学校 校長 高柴 昭宏 様、本校 同窓会会長 赤澤 健児 様、本校保護者会会長 程田 美穂 様 、副会長 八鍬 望美 様の御臨席を賜り、ここに 千葉県立流山北高等学校 第三十七回 卒業証書 授与式を挙行できますことを、心から感謝申し上げます。

 ただ今、本校普通科の課程を修了し、卒業証書を授与いたしました百九十名の皆さん、御卒業おめでとうございます。教職員一同、心からお祝い申し上げます。今日の日を迎えるまでに、皆さんには、それぞれ言葉では言い表すことができない 様々な出来事があったことだと思います。それは、楽しいことよりも、むしろ辛くて、苦しくて、目の前の現実から逃げてしまいたい と思うことのほうが多かったかもしれません。それらの日々を乗り越えてきた皆さんの不断の努力に対して、深く敬意を表したいと思います。

 保護者 並びに御家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。このハレの日を迎えられましたことに 感慨もひとしおのことと存じます。この場をお借りいたしまして、これまで本校にお寄せいただきました数多の御支援、御協力に 深く感謝を申し上げます。

 さて、私たち流山北高校は、地域連携アクティブスクールの指定を受け、地域に根差した学校として、多方面からの協力を得ながら、「学び直し」に重点を置いて 教育活動に取り組んでいることは御存じだと思います。そのような学校に通ってきた皆さんに、この一年間 私は様々なエールを送ってまいりました。

一学期の始業式では、「新三年生は、自らの進路を決定していくとても大切な一年になります。これまで頑張ってきた自分を信じ、一分一秒を大切に、自らが目指す進路に近づくための努力を精一杯してほしいと思います。」「ここにいるすべての先生方は、皆さんの御家族と同様に、皆さんの幸せな人生を心から願っています。」「皆さんは、自分を信じ、仲間を信じ、家族を信じ、先生方を信じて、がむしゃらに自分の人生を切り開くよう、最大限の努力をしてください。」とお話ししました。

二学期の始業式では、ヨーロッパのことわざで、Rome was not built in a day(ローマは一日にして成らず)を例に、「何事かを成し得るには決して短期間でできるものではなく、目標に向かい、地道にコツコツと 継続して取り組んでほしい。」「最後まで諦めずにやり切った人が目標を達成できると信じて一生懸命取り組んでください。」とお話ししました。

三学期の始業式では 箱根駅伝について触れ、一本の襷には、ともに苦しい練習に挑み、時に競い合い、時に励ましあったチームメイトの熱い思いや、長年にわたり支えてくれた御家族の気持ちが含まれるので、出場した選手は ただひたすらに襷を繋ぐことに命がけになること。若いときに命がけで取り組んだ経験は、その後の生き方に大きな影響を与えること、すぐに結果が出なくても、それは人生の大きな財産になる、といったことをお話ししました。

 さあ、いよいよ 皆さんは、本日、高校を卒業し、それぞれの道に向かい進んでいくことになります。これからの人生は、もしかするとこれまで以上に険しい道のりになるかもしれません。その道のりを歩いていく皆さんには、目の前の現実から、決して目をそらすことなく、受け入れる心のしなやかさを身に付けていってほしいと思います。

 それと同時に、現実と真摯に向き合う自分自身をどうぞ大切にしてください。唯一無二の存在である自分自身をどうぞ愛してください。同じ時期を共に過ごした仲間の存在を忘れないでください。

「諦めなければ、かならず前に進むことができる。諦めなければ、かならず道は開ける。諦めなければ、かならず夢は叶う。」卒業に寄せて、私からの最後のエールとして受け取ってくれたら幸いです。

 皆さんの前途が明るく、幸多からんことを心からお祈りして、式辞といたします

 

令和六年三月五日

千葉県立流山北高等学校長 泉 水 潤 一