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2018年3月の記事一覧
これまでありがとうございました。
この3月末で定年を迎えますので、皆さんにご挨拶できるのも最後の機会となります。
これまで、生徒・保護者の皆様はもちろんのこと、地域の中学校の先生方や生徒さん
方、地域の皆様にご支援いただきまして、流山北高校も随分と成長することができたよ
うに思っております。皆様からも、通学で生徒が歩いている姿を見ても、普通になって
来た、きちんとしてきた、挨拶できるようになってきたと言っていただき、校長として
これ以上の喜びはありません。
4月からは新しい校長先生が着任されて、流山北高校を新しい航路へと導いてくださる
ことになります。引き続き、皆様のご支援を賜りますよう、お願いを申し上げます。
終業式では最後の挨拶となりますので、何を話そうかと考えていましたが、生徒に頑張
ってほしいという私の気持ちを込めて、以下のような話をさせていただきました。
『おはようございます。前から少しずつ言っていますように、私は3月末で定年を迎え
ます。これが皆さんへの最後のお話となります。長くならないように気を付けます。
先ほどの校歌もだんだん声が出るようになってきましたね。大きな声で歌ってくれ
る人もいて、よくなってきましたね。校歌といえば、皆さんの前には左右に二つの額
があります。実は右の校歌が最初からの校歌だったようです。ですが、いつの間にか
左の現在の校歌が歌われるようになったようです。私も左の今の校歌が好きです。
さて、昨日の成績会議で先生方のお話を聞いていて、こんなことを思いました。
それは、卒業式でもお話をしましたが、「卒業できればいいや。」とか「単位が取れ
ればいいや」とか「これくらでいいや」とか思う人がいるのは残念だということで
す。
皆さん、iPhoneをこの世に送り出した人を知っていますか?Appleという会社をつ
くったスティーブ・ジョブズさんです。彼がスタンフォード大学の卒業式で話した
ことです。スティーブ・ジョブズさんは主張が強い人で、自分が始めた小さなコンピ
ューターを作る会社であるAppleを追い出されてしまいます。がっかりした彼が始め
たのは、アルファベットをきれいにデザインして書く講座に通うことでした。そして
昔の漫画に出てくるような、穴の開いた紙を吐き出していたコンピューターを、ディス
プレーに繋げたり、音が出るようにするNEXTという会社を作ったり、映画で有名
なピクサーという会社を立ち上げたりしました。そうこうしているうちに、追い出し
た方のAppleの経営が苦しくなったので、スティーブ・ジョブズさんは呼び戻され、
今までやったことを総合してiPhoneを生み出したのだそうです。彼は「自分のやった
ことで無駄になったことは一つもない。」と言っています。
例えば、働き始めて何か仕事を任されます。その時に必要なことをそれから学んで
いたのでは遅いのです。今目の前にあることに全力で取り組むことが、後々になって
思わぬことに、意外なことに効いてくるのです。ぜひ、全力で取り組んでほしいと思
います。
二つ目です。正月に箱根駅伝を見ましたか。青山学院大学陸上部が往路の不利を逆
転して四連覇を達成しましたよね。あの青山学院大学陸上部監督の原晋さん。テレビ
にもよく出ているので、知っている人も多いかと思います。原晋さんが陸上部監督に
なった頃はあんなに強くなかったそうです。それどころか、門限は守らない、朝練習
に遅刻してくる。午後の練習にも出ない、という状態であったそうです。そこで、原
監督は3つの行動方針を決めたそうです。
①感動を人からもらうのではなく、感動を与えられる人間になろう。
②今日のことは今日やろう、明日はまた明日やるべきことがある。
③人間の能力には大きな差はない、あるとすれば熱意の差だ。
というものです。
これを選手が理解するようになって、今では9時には全員が揃ってミーティングをし
て、朝練習も自分たちで積極的にするようになったそうです。だから、先輩や仲間の
失敗を全員で取り返そうというあの活躍が生まれるわけですね。
これから春休みです。気が抜けてしまって、お昼に起きるとか、夜なかなか寝ないと
かする人が出てくるのではないでしょうか。
考えてほしいのは、それで君らの能力が発揮できるでしょうか。君らには色々な能
力が、素晴らしい能力があると思います。でも、そんな風に自分の能力の可能性を
踏みつぶすようなことをして良いのでしょうか。生まれてすぐに才能を発揮できる人
はほとんどいません。皆、こつこつと努力して自分の力を伸ばしてゆくのです。
その時に、自分の能力が最大限に発揮できるように自分の状態をすることが大切で
す。是非、目に前にあることに全力で取り組んでください。
私は4月から別の学校で授業をします。頑張りたいと思います。
以上です。』
卒業式ありがとうございました。
生徒たちも一生懸命に厳かな卒業式となるように取り組んでくれたようです。最後の退場の際にも、各クラスで担任や副担任の先生に感謝の言葉をみんな揃って言うパフォーマンスも見ていて気持ちの良いものでした。
それに引き換え、わたしの式辞は約15分と長いものになってしまい、反省しています。また、240名の生徒が入学してくれましたが、50名弱の生徒が何らかの事情を抱えて、転校したり退学していってしまいました。それを考えると自らの至らなさを痛感いたします。より良い学校となるために、これからも立ち止まってしまわないように、気持ちを一つにして頑張りたいと思っております。
私がお話しした式辞は以下の通りです。
『式 辞
今年は大変な大雪もありました。凍えるような厳しい寒さの日々もありました。そのような日々を経て、正門横の桜を始めとして、校庭の木々の芽も花のつぼみも膨らみ、春の訪れを告げてくれる季節となりました。
本日ここに、保護者の皆様方ご列席の下、流山市立北部中学校長 中川 淳(じゅん)様、流山市立東深井中学校長 片野全康(まさやす)様、流山市立新川小学校長 高橋千代美(ちよみ)様、本校保護者会会長 荒木綾子様、本校保護者会書記 新井ゆかり様、いつも連携してくださっているハートケア流山の皆様、本校の学び直しを支えてくださっている地域の学習ボランティアの皆様など、本校にゆかりの深いご来賓の皆様の御臨席を賜り、千葉県立流山北高等学校 第三十一回卒業証書授与式を挙行できますことは、本校にとって、この上ない喜びであります。高い席からではございますが、皆様に、御礼申し上げます。
ただ今、本校普通科の課程を修了し、卒業証書を手にされた191名の皆さん、心からお祝い申し上げます。
こうして皆さんが今日この日、卒業式を迎えることが出来たのは、皆さんが、たゆまぬ日々の努力を続けてきた賜です。そして、今日、この日を迎えるにあたって、決して忘れてはいけない事があります。それは、その陰には、いつも皆さんが立派な社会人になれるよう、健全な成長を願い、影日向となって支えてくださった保護者の皆様の愛情、そして、叱咤激励してくださった先生方、互いに助け合った友人達、暖かく見守ってくださった地域の方々に支えられたものです。これらの人たちへの感謝の気持ちを忘れてはなりません。良い機会です。きちんと、感謝の気持ちを伝えることが、その期待に応えることであり、社会人としての大事な第一歩です。
さて、君たちは、流山北高校が地域連携アクティブスクールとして新しいスタートを切った年に入学し、一緒に新しいスタートを切りました。君らのスタートはまさにチャレンジの連続でした。多くの授業での少人数授業、学び直しの時間である基礎学習、隣接するハートケア流山さんの力をお借りしたインターンシップ保健実習など。そして、皆さんは本校での3年間にわたる鍛錬の日々を経て、素晴らしい結果を出しました。6年連続斡旋就職100%を達成し、昨年の12月中にはほぼ全員が進路を決定するという成果を挙げました。しかし、それよりも、小学校時代、中学校時代になかなか学校に登校できなかった経験を持った人。いろいろな事情を抱えて、勉強について行けなかくて苦しんだり、悩んだりした人。その皆さんが努力し、見違えるように成長するその姿に感動しました。そして、その苦難を乗り越えた姿は、私の、そして本校の誇りであります。その成長した君たちが、今日この日に、新しい世界を開拓する旅に出ることになりました。社会に出るという、困難ではあるが素晴らしい旅に出る君たちに、一言お祝いの言葉を述べたいと思います。
皆さんの中で、やっと卒業だ、もう勉強しなくてすむ、と思っている人がいるのではないでしょうか。
そうではありません。これからが本番です。学ぶ姿勢を持っている人と、持っていない人の違いが大きく出てきます。これまでは、これからジャンプするための、大きく羽ばたくための助走だったのです。
NHKの大河ドラマ、司馬遼太郎さん原作の「花燃ゆ」の中で、
のちに吉田松陰となる寅次郎がこのように言う場面があります。
「人生は何故学ぶのか。学ぶのは知識を得るためでも職を得るためでも出世をするためでもない。人にものを教えるためでも尊敬されるためでもない。己のためじゃ。己を磨くために学ぶんじゃ。」と。
それを聞いて塾生の小田村伊之助も「何故学ぶのか。この世の中のために、己が為すべきことは何かを知るために学ぶのです。私はこの長州を、日本国を守るために学びたい。己を磨き、この国の役に立つ人間になりたい。そのために学びたい。」と答えています。
心から学びたいという思いがほとばしっている言葉ですよね。
吉田松陰は皆さんご存じのとおり、幕末から明治維新を支えた多くの人を育てた有名な方ですし、小田村伊之助も幕末から明治にかけて活躍された方です。これは、この二人が特別優秀だから言えた言葉ではありません。こういった気持で学んでいるからこそ、吉田松陰が開いた松下村塾から、幕末から明治にかけて活躍した偉人が数多く巣立っていったのでしょう。
それだけではなくて、江戸時代は男女や地域を超えて、寺子屋などで教育が発達し、武士だけではなく、むしろ庶民が学びたいという意欲を強く持った時代です。だからこそ、義務教育などが無い時代に多くの子供たちが読み書きなどの多くのことを学んだのです。当時の日本は読み書きできる人の多さで外国人に驚かれていました。その一人一人の志や主体的に学ぶ教育が根底にあって、明治維新を実現させ、日本の近代化をすすめる強い力になったのです。
さて、皆さんはどうですか。私が長い教師生活でよく聞いてがっかりした言葉が「高校を卒業したいから。」です。それはそうなのですが、大事なことは、3分の2は出席したとか、赤点はとらなかった等ではないのです。
君らの人生の目標は高校の卒業で終わりではありません。その先には何もないわけではありません。
よく日本の会社の強さの源泉、日本の社会の特徴として言われることに、日本人一人一人が自分の仕事に、仲間に真剣に向き合って、良くしてゆこうと努力することが挙げられています。漫然と仕事をするのではなく、自分の気が付いた改善点を出し合って、みんながやり易い環境を作り上げてゆく力が凄いといわれます。それは、先日閉幕した隣国韓国で行われたピョンチャン冬季オリンピックでのスピードスケート女子パシュートでの金メダルや、カーリング女子の銅メダルでもチーム力がいかんなく発揮されたことで、皆さんもよく知っている通りです。
そういった場で、これからの人生を豊かにするために、より高い目標を掲げることを可能とするためにこそ、今まで君らは学んできたのです。
同じく司馬遼太郎さんが「坂の上の雲」という本の中で、明治時代の日本人について
「上ってゆく坂の上の青い空に、もし一朶(いちだ)の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見つめて坂を上ってゆくであろう。」と書かれています。
東洋の小さな国であった当時の日本が、西洋の強大な列国の植民地にならないようにしよう、追いつこうと必死に頑張っている姿です。無理だ、出来っこないなどと言い訳をせずに、一心不乱に目標に向かって努力する姿を言っているものです。君らも是非、学ぶ姿勢を忘れず、努力することを忘れずに、一朶の白い雲を見つけてほしいと思います。そして、みなさんそれぞれの場所で頼られる存在、輝く存在になってほしいと願っています。
私もこの3月末で定年となります。この38年間、私なりに坂を一生懸命に上ってきたつもりです。4月からは新しい白い雲を目指して、また上り始めたいと思います。
君らもこの流山北高校の3年間で一生懸命にやるという才能を身に着けたと思います。その君らが21世紀の日本を支えて行くのです。3学年の先生方を中心とした素晴らしい先生方の助けで、鍛えた心と体と絆を忘れずに、前を向いて力強く自分の人生を開拓し、日本の未来を担っていってください。
さて、終わりになりましたが、保護者の皆様には、この三年間、本校の教育活動に絶大なご理解とご協力を賜りましたことに、心から感謝申し上げます。
本校も、地域連携アクティブスクールとして、これまでの実績を基にして、さらに大きな飛躍をしようとしています。これからも流山北高校は、卒業生が母校として誇れる学校となるよう、一層邁進して行く事を約束いたしますとともに、卒業生の皆さん一人ひとりの限りない発展と豊かで幸せな将来を願って式辞といたします。
平成30年3月6日
千葉県立流山北高等学校長 三橋重信 』9月
16日(月)就職試験開始
25日(水)月23 星河祭準備
26日(木)星河祭準備
27日(金)星河祭(校内発表)
28日(土)星河祭(制限公開)
30日(月)代休
10月
1日(火)復元・LHR
3日(木)月1+体育の部予行
4日(金)星河祭(体育の部)
11日(金)中間考査1週間前
18日(金)金123
21日(月)中間考査①
22日(火)中間考査②
23日(水)中間考査③
24日(木)中間考査④
25日(金)強歩大会
千葉県立流山北高等学校
〒270-0116
千葉県流山市中野久木7-1
電話:04 (7154) 2100
FAX:04 (7155) 6971
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