校長日記 日々雑感

2017年4月の記事一覧

第33回入学式

 前日までの天気と打って変わり、雨交じりの残念な天気でしたが、たくさんの保護者の皆さまに
ご出席いただき、240名の入学を許可することができました。呼名ではそれぞれに元気に返事を
してくれました。退場する様子を見ていましたが、さすがに緊張した面持ちでした。この緊張を
是非良い緊張感に変えて、充実した高校生活を送ってほしいと願っております。
 式辞では以下のような話をさせていただきました。
『 あいにくと足元の悪い中ではありますが、新入生の皆さん、ようこそ流山北高校へ、そして保護者の皆さま、本校の入学式にご出席いただき、ありがとうございます。本校の周辺を見ていただけたでしょうか。校庭の桜は満開です。江戸川の土手には、実に見事に、黄色く咲いた 一面の菜の花の美しい風景を見ることができます。また、近隣の林の木々には若葉の息吹を感じ、春の到来を実感いたします。このように素晴らしい環境に恵まれました、この良き日、新入生の皆さんを本校に迎えることが出来ました。御入学おめでとうございます。ただ今、入学を許可いたしました、二百四十名の皆さんを、私達教職員、在校生一同は、心から歓迎いたします。保護者や関係者の皆様に、心よりお祝いを申し上げます。御来賓の皆様、保護者の皆様には、御多用中にもかかわらず、本校入学式に御列席いただき、厚く御礼申し上げます。
 さて、本日から新入生の皆様が学ぶ、流山北高等学校は、昭和六十年四月に誕生し、三十三年目を迎え、「地域連携アクティブスクール」三年目となり、ますます良い学校、地域の皆様に支えられる学校、地域に貢献する学校として、皆さんとともに成長してゆける喜びを、心から感じております。
 本校は学び直し、やり直しができる学校として、実践的なキャリア教育、地域と連携する教育活動、きめ細やかなサポートを行っており、多くの先輩が、数多くの有名企業への就職し、斡旋就職決定率100%を5年連続で達成しています。同時に、各種の上級学校への進学を果たしており、日々の生活において、向上心を強く持ち、社会で有為な人材となれるよう、努力しています。
 また、この入学に際しては、もちろん皆さん自身の頑張りの成果であることは言うまでもありませんが、同時に保護者や中学校の恩師など、皆さんを心配し、皆さんの成長を手助けしてくださった、多くの方々の御援助と御苦労があればこそだと思います。このことを心に刻み、感謝の気持ちを忘れずに、新しい高校生活の第一歩を踏み出してください。

 皆さんが高校生活を始めるにあたって、忘れないで欲しいことが一つ、実行して欲しいことが二つあります。

 忘れて欲しくないことは「何故学校に通っているか?」ということです。これからも何度でも君らに問いかけて行きたいと考えています。多くの生徒は勉強をするためと答えるでしょう。しかし、その勉強とはどのようなものでしょう。私は長く教師をやってきた中で何度も、これを勉強して何になるんですか?としばしば質問されました。実際、社会に出てしまったら、難しい数学の公式とか、英語の文法とか、忘れてしまうかも知れません。そうではないのです。何故、40人くらいの人数が集まってクラスをつくっているのでしょうか?何故、240人からの人数が集まって学年を作っているのでしょうか?何故、文化祭や体育祭のような行事があるのでしょうか?みんなで助け合い、協力し合って何かを作り上げる。そういう力を学ぶために、みんなが集まっているのです。一人の力は限られたものです。その力を何倍にもしてくれるのが、友人であり仲間です。単なる勉強ならば、学校に来なくてもできます。助け合い、協力し合うことを学ぶ、その姿勢を忘れないで欲しいと思います。

 そして、これからお話しする二つのことを忘れずに実行してほしいと思います。

 まず第一に、他人の痛みをわかる人に、なってほしいということです。
 私たちは、共同生活、集団生活をしています。ほかの人々を尊重できなければ、自分自身が幸福になることは、難しいことです。思いやりと気遣い無しに幸福も成功もありません。
 ここで皆さんに約束しておきます。やってはいけないことが二つあります。「人を傷つけること。」心でも身体でも。そして、「人の物を盗ること。」これは、人の信頼を裏切る行為であり、みんなの協力体制を妨害する行為です。そのようなことをする人は、少なくても流山北高校にはいてほしくない。もちろん、SNS、LINEやTwitterでの書き込みも含めて、最も厳しい指導で臨みます。
 みなさんには本来、ほかの人を思いやることができる力を持っています。豊かな人間性を育て、他の人の心の痛みを分かり、分かち合い、全ての人が心豊かに、幸せに暮らせる世の中を作ってほしいと思います。本校で学ぶことは、ほかの学校では味わえない、貴重な、かつ優れた経験となるはずです。皆さんそれぞれが、自分の置かれた立場で、最大限の努力と行動をすることが、自分のため、他人のためになるように、一人ひとりのできることは、小さなことですが、積み重なれば大きな力となります。皆が、多少の不自由を分かち合い、生活できることを望みます。

 そして、第二に、目標をしっかりと持って、あらゆることにチャレンジしましょう。
 新入生の皆さん、高校生活を進める中で、これまで気づかなかった能力を、発見すると思います。チャレンジした人のみが得られる特権でもあります。みなさん一人一人の個性や能力を伸ばし、社会に貢献できるように、本校の先生方は全力できめ細かくみなさんをサポートします。本校でのいろいろな経験を通じて、自分を再発見し、何事にも全力で取り組み、意欲的に自分を高め、新しい自分を作り上げてほしいと期待しております。
 今日からは、中学生とは違ったリズムの生活が、始まります。中学生の時に上手に生活リズムを作ることができなかった人。高校は3分の2以上の授業に出席しなければ、いくらテストの点数が良くても進級、卒業できません。本校にはカウンセラーもソーシャルワーカーの先生もいます。上手に相談して、高校生らしい生活習慣を作ってください。
 努力は必ず自分の成長の役に立ちます。努力すればすぐに成果がでるわけではありません。成長できるかどうかは自分の心がけ次第です。努力する気持ちを失った時、成長は止まってしまいます。君たちには有り余る、成長のための時間が、約束されています。地道な努力を忘れずに、3年後に立派に成長した姿を見せてください。

 ここで、保護者の皆様にお願いが、ございます。高校生の年代は、見た目だけでなく内面も、日々成長します。その成長の様子や過程を、気に留めるとともに、一日一言でも結構です。日々の出来事、学校の様子や、心の動きを、会話を通して確認していただければ、幸いです。また、流山北高校の先生方は、悪いことだけではなく、お子さんに関する色々な事を、ご家庭にご連絡・ご相談すると思います。
 本校の先生方には良い事も悪いことも含めて、ご家庭ときめ細かいコミュニケーションをとって、家庭と地域の皆様と手を取り合って、生徒達を育てて行こうと話し合っています。本校の教育活動に、御支援とご協力を、賜れれば幸いです。

 結びに、新入生のみなさんは、流山北高校の、新しい歴史を築くことになります。そして、新しい人生の第一歩ともなります。今日の気持ちと決意を、初心として忘れることなく、高校生活の一歩を、踏み出してください。在校生とともに、互いに切磋琢磨し、勉学に、部活動に情熱を傾け、充実し目的を持って学校生活を送り、本校の新しい伝統を築いてくれることを願い、皆さんの高校生活が、豊かな稔りをもたらすことを祈念して、式辞といたします。
     平成二十九年四月七日

千葉県立流山北高等学校長 三橋重信』

平成29年度が始まりました。

 始業式を終えて、平成29年度が始まった事を実感いたしました。生徒たちもきちんと投稿してくれ、
良い新しいスタートがきれたと思います。すでにお知らせいたしました通り、東京理科大学との間で、
学校インターンシップ協定を締結し、すでに高大連携協定を結んでいる江戸川大学とともに、大学生が
学習ボランティアに来てくれる体制が整いつつあります。同時に、近隣の自治会の方々も学習ボランティア
で来てくださるようになりました。そして、隣接する老人保健施設のハートケア流山さんにご協力いただ
き、3年生の選択科目として毎週ハートケア流山さんのお年寄りと交流する授業もスタートいたします。
これまでより一層、生徒の可能性を広げる学校として頑張りたいと思います。
 始業式では、生徒たちに気を引き締めてもらうために、以下のような話をしました。
『ラグビーの強豪校で奈良県に御所実業高校という学校があります。
そこの練習がユニークです。
7月に全国からたくさんの高校を集めて「御所ラグビーフェスティバル」を開くのだそうです。
朝9時から夜7時過ぎまで、20分間の試合が25試合も組まれる。
御所実業高校のラグビー部員は、自分たちの試合の合間をぬって、他校の選手やレフリーに
水や氷、近所の農家が差し入れてくれたトマトやキュウリを配って回るのだそうです。
そして、毎月第3土曜日には地元の応援に感謝して一般向けのラグビー教室を開くのだそうです。
コーチの中心は部員。
どちらも、常に周囲に気を配って、常に何が必要なのかを、考え、気づき、自ら行動する訓練。
そして、自分が言いたいことを、きちんと伝えるコミュニケーション能力の訓練になるのだそうです。
監督の竹田先生は、
「常に自分のやれることを探そう。感謝の気持ちを持てる大人の集団になろう。」と呼びかけているそうです。
その結果、練習後に部員全員がグラウンド内をくまなく歩いて、ゴミ拾いをする光景が部の伝統になったそうです。

さて、その御所実業高校と君らに何の関係があるのでしょうか?

3学期の終業式でもお話ししましたが、
単位数が足りなくて転学・退学をしていった人がいました。
その原因は何かというと、決してテストで点が取れなかったからではありません。
提出物を最後まで出さなかった。追走や追歩を用意してもらっているのにやらなかった。などなど。
面倒くさがって、自分のやれることをやらなかったためです。
常に周囲に気を配って、自分がどう行動すべきなのか、何が自分に必要なのかを、きちんと考えていれば、
そんなことには成らなかったのにと思います。

そして、「感謝の気持ちを持てる大人の集団になろう。」いいですよね。
人はとかく、「何であの人はやらなんだろう。」とか
「あいつは話が合わない。」とか、今の時代だと「すぐに返信しない。」とか「既読になったのに、メッセージを返さない。」
とか、不満を先に考えてしまいます。

しかし、人はだれでもダメな部分を抱えていますが、一方でよい部分も必ず持っているものです。
どんな小さなことでも良いです。相手に感謝する気持ちを持つと、相手の良い部分が見えてきます。
みんなで力を合わせて、何か作り出そうという気持ちになってきます。

前にもお話したことがあったかもしれませんが、
以前に私が担任をしていたクラスでは、成績の悪い生徒が自主的に残って勉強を始め、その輪がだんだん広まり、
テスト前にはほとんどの生徒が残って勉強するようになりました。
その結果、ビリだったクラスの成績が、学年2番にまでなりました。
これもまた、 常に周囲に気を配って、常に何が必要なのかを、考え、気づき、自ら行動した結果ですよね。

気配りと優しさ、そして感謝の気持ちを伝えるコミュニケーション
人が生きてゆくうえで本当に大切な事です。

学校で生活をしてゆくうえで、集団で生活をしてゆくうえで、絶対にやってはいけないこと。
「人を傷つけること。」「人の物を盗ること。」
こんなことがあると、お互い同士が信用できなくなってしまいます。
みんなで協力しよう、助け合おうという状態を壊す行為です。
私は絶対に許しません。
許しませんし、流山北高校に、そんなことをする人はいてほしくない。
そんなことをする人は、流山北高校から出て行ってほしいと考えています。

そして、本当にSNS、LINEやTwitterなどでのトラブルが多いですよね。
気軽に考えている人がたくさんいるようですが、ノートに落書きするのと訳が違います。
自分の知り合いだけに話している、見せているつもりかもしれませんが、
入り込む方法はいくらでもあるし、外部に流してしまう可能性のある人はいくらでもいます。
人の心を傷つける行為ですよね。絶対に許せません。

何度も言いますが、何のために学校に通ってきているのか?を考えてほしい。
数学の公式を覚えるためでも、英語の単語を覚えるためでも、難しい漢字を覚えるためでもありません。
みんなで助け合い、思いやりあうことを、学び、実践するために学校に通ってきているのです。
お互いに助け合い、尊重しあい、高めあう関係を作っていってほしいと思います。
それさえ出来れば、他のことはすべてうまくゆくはずです。

そして、新3年生の諸君。いよいよ、君らの進路を開拓する番です。
君等自身の未来を輝かしいものとするために、一生懸命の努力して、もがいてください。
新2年生の諸君、学校になれたはずです。
高校生らしい態度とは何か?高校生らしい努力の姿勢とは何か?を考えて行動してください。』