校長日記 日々雑感

2016年4月の記事一覧

朝帯授業(基礎学習A)始まっています。



  流山北高校を象徴する学び直しの時間の新しい取り組みである、朝10分間の帯授業「基礎学習A」が
始まりました。1・2年生共に静かに真剣に取り組んでいます。2年後、3年後の進路実現に向けて、基礎
学力の向上以上に勉強に取り組む姿勢、日常生活に取り組む姿勢がより良くなるように頑張ってくれるも
のと期待しています。

桜が満開になりました。


 今日から始業式です。そして、明日の入学式を祝うかのように、校庭の桜も満開になりました。新2・3年生は始業式に元気で登校してくれ、元気な挨拶をしてくれました。明日は、いよ
いよ新入生を迎えての入学式です。天気予報では春の嵐となりそうだと言っていますので、
注意して登校・出席していただければと思っております。
 始業式では、生徒に以下のような話しをしました。
おはようございます。
 今、着任された先生に褒めていただいたように、私は3年目ですが、だんだんと挨拶をしてくれる人が多くなってきました。しかし、まだ下を向いて挨拶が出来ない人がいるようです。全員が元気な挨拶ができるようになって欲しいと思います。

 さて、話しは少しずれます。実は3月の終業式でお話ししようと思ったのですが、あまり時間が長くなってはいけないと思い、今回お話をします。
東日本大震災から5年と約1ヶ月が過ぎました。3月11日周辺ではかなり報道されましたが、日常的には報道されることも少なくなりました。
 実は私の大学の同級生で岩手県の陸前高田に帰って、家業の酒屋を継いだ友人がいます。あの大震災の日に、テレビを見て愕然としました。友人を一人失ったというショックを受けました。しかし、1ヶ月後に親戚の家に避難していることが分かり、それ以来、毎年のように被災地である陸前高田を訪れています。
 そのあたりの話しは長くなってしまうので、次の機会にします。
 しかし、私自身が昨年の9月に陸前高田まで行った時には、復興半ばという感じでした。常磐高速道の福島第一原子力発電所のあたりは、設置してある線量計はかなりの高い値を示していて、人の気配がありませんでした。陸前高田も元市街地全体を高台にする工事の途中で、そこに家が建つまで、市街地が復興するためには、まだ何年かの月日が必要のようです。
 そのなかで思い出されるのが、被災した方々が援助の物資を受け取る時も、避難所の生活も混乱することなく、我先にとなることもなく、整然と行動していたことに、世界が驚愕していたことです。
 日本人の我々にとってはある意味、当然の事です。とは言っても、私個人の意見としては、忍耐強い東北の人たちだからこそ、特に整然と行動されたのではないかと思っています。
 今からでも遅くはありません。ボランティアが一番良いのですが、一度被災地を見ておくことが、これから日本を背負って行く君らの義務であると思います。
 観光旅行のような気分でもかまわないと思います。被災地観光という言葉があります。被災の現場を見る、そして、宿泊や食事やお土産物を買うことによって、被災地復興の手助けにもなります。

 さて、今、日本人の美徳は忍耐強さであるとお話をしました。
 君らの日頃の行動はどうですか?
 例えば服装。例えば日頃の行動。やりたいからと言って、後先考えずに行動していませんか?
 例えば、私は日本古来の神様というものを信じています。だから、学校の近所の愛宕神社にしばしばお参りに行きます。
しかし、とても残念なのは、愛宕神社の境内を汚す、散らかす生徒がいることです。食べ物ゴミやたばこの吸い殻を拾う時があります。
 だめなものはダメですよね。健康にも成長にも良くないし、まして色々な人が神様に祈りを捧げる場を汚すなんてとんでもないことです。

 私たち流山北高校の先生達が君らに最も望んでいることは、立派な社会人として流山北高校を巣立って欲しいということ。
それは、社会の色々な人に迷惑をかけない事が第一、それだけではなくて、社会の色々な人に頼りにされる人となって欲しいということです。
 ですから厳しく生活指導、服装指導、頭髪指導、授業での指導をするように、先生方にはお願いしてあります。
 それだけではなくて、君ら一人一人が抱えている悩みがあると思います。家庭の悩み、進路の悩み、友人の悩み、色々あると思います。良く聴いてあげて欲しい、必要があればどんどん家庭訪問をしてくださいとお願いしてあります。

 その一環として、1・2年生は4月から基礎学習A、毎朝10分の帯授業が始まります。そこで、数学が、国語がどんどんできるようになる魔法の時間だとは思っていません。その10分間で、もう一度自分の授業望む態度・姿勢や日頃の生活態度をきちんと見直し、その日1日、しっかりと授業に臨む姿勢を作ってもらうための時間です。細かいところをきちんと出来ない人は、決して勉強できるようにもならないし、立派な社会人として成長することもできません。
 先生方には勉強よりもまず、授業に臨む姿勢、基本的な生活習慣、服装頭髪について指導してくださいとお願いしてあります。まず、自分の生きることに対する、成長することに対する、学ぶことに対する姿勢を、もう一度見つめ直してください。

松井秀喜さんを知っていると思います。元巨人の選手で、米国のメジャーリーグに渡り、ヤンキースなどで活躍されましたが、こんな事を言っている。
『なによりもまず、きっちりいま現在の自分の100%を発揮することが大切です。
80%(さぼり)でも120%(ラッキー)でもいけません。100%を発揮する。
そのためにはまず「自分の100%」を知らなければなりません。それを知っていれば決して緊張はせず、自分のいまの実力を出し切れます。
たとえば相手がメジャーリーグを代表するようないいピッチャーだったら、「いまの自分の100%では打てない」という冷静な判断が前提となります。
打てるかもしれない、打ってやろう、とは考えない。いまの自分では打てないというところから始める。で、そのうえで、もしこのコースに球が来たらいまの自分でも打てる可能性がある、と考えてそれを待つのです。
ラッキーで他のコースも打てるかもしれないとは考えない。もしかしたら打てるかもしれないけど、それは自分のチカラではなく運のチカラなのです。
打席ではそうやって頭を整理して物事に臨むので緊張はしません。
観客の声援やブーイング、マスコミのバッシングなども自分ではコントロールできないので気にしません。ゆえに緊張しません。
だから、巨人時代もメジャーリーグ時代も、どんな緊迫した場面でも、緊迫したことは一度もないのです。』

流石ですよね。常日頃から、野球や生活に望む姿勢を作っている。
自分に課されことに100%の力で取り組もうとしてきた。
だから色々なことに対応できる。だからこそ、あれだけ活躍して、あれだけの記録を残せたんですね。

そして、引退してからヤンキースに呼ばれて引退試合をしてもらったことは知っていますか?
日本では名選手は引退試合がつきものですが、米国では引退試合は一般的ではないそうです。
つまり、それだけ松井秀喜さんは、チームメイトに愛され、ファンに愛されたのでしょう。
それだけ、自分がではなく、他人を思いやる気持ち、チームメイトのために心を砕き、働いたのでしょう。
大きな事をするためには、一人の力ではできません。
周りの人たちが助けてくれる、助けたいという気持ちになる、そんな人なってこそ、
自分の力を十二分に発揮できるようになるのでしょう。

3年生はいよいよ自分の進路を決める時期になりました。流山北高校の先生方は、君らが将来充実した人生を送ることが出来るように、一生懸命にサポートしてくれます。先生方の指導に従って、先輩方を以上の結果が残せるように頑張ってください。
2年生は、流山北高校に慣れて、力を発揮する時期になりました。3年生が進路決定に忙しいですから、学校の中心となってしっかりと自分の力を伸ばしてください。

努力は決して裏切りません。そして、人への優しさはあなた方の可能性を広げます。
今年一年。しっかりと目標を持って、”努力・自律・前進”で頑張りましょう。」