校長日記 日々雑感

<393>日々雑感(シンギュラリティについて)

 コロナウイルスの感染リスクを軽減させるために、3学期終業式も中止にしました。
 参考までに、この終業式で式辞として1・2年生の皆さんに話すはずであった内容を掲載します。

令和2年3月24日(火) 3学期終業式 校長式辞
 本年度の3月はコロナウイルス感染拡大防止のために4日から臨時休校となりました。このことから、卒業式も卒業生と先生方のみで行われました。3年生212名は立派な姿で本校を巣立っていきました。
 コロナウイルスの感染リスクを軽減させるために、在校生全員が集まる3学期終業式も中止となりました。
 節目となる終業式は重要な行事ですが、在校生の皆さんの健康が最優先です。このために本日はクラス単位の分散登校とし、校舎内に立入ことをせずに昇降口で新年度に向けて、教科書購入、通知表等配付のみという必要最小限の形態となりました。
 本来であれば終業式で皆さんに向けて話す内容を次のように活字にしました。是非一読をお願いします。
 3学期の終業式では、21世紀の目玉の一つである「AI(人口知能)の発達」について触れていきます。「シンギュラリティ」という言葉は最近、よく使われていますが、いったいどういった意味があるのでしょうか。「シンギュラリティ」とは日本語に訳しますと技術的特異点といい、AIが人間より賢い知能を生み出す時点をさします。アメリカの人工知能研究における世界的権威者であるレイ・カーツワイル博士によれば、「2029年(令和11年)にAIが人間並みの知能を備え、2045年(令和27年)に人間以上の知能をもったAIが出現する」と予言しております。
 このシンギュラリティという考え方に示されているとおり、AIによって、近い将来、私たちを取り巻く環境が激変していく可能性があります。AIが人間を超える日が来るのかどうかはさておき、AIはすでに私たちの身近で広く活用されています。
 それではAIが加速度的に進化している現代社会に必要とされる力は何でしょうか。私はAIが不得手としている状況に応じて、あえて白黒をつけない柔軟な対応を身につけることと考えております。
 柔軟な対応のベースとなっているのは、相手に対する気配りです。相手の反応を見ながら言葉遣いに気をつけたり、当初話す予定だったことを相手の様子を見て、あえて言わないといった対応が柔軟な対応の一例です。今後、益々この「柔軟な対応の重要性」が高まってくるはずです。ただし「柔軟な対応」してみたのだが、うまくいかないことも時にはあるでしょう。柔軟な対応が失敗した場合は「なぜうまくいかなかったのか」その原因を必ず検証してみてください。この失敗後の検証によって柔軟な対応が軌道修正され、ステージアップしていくこと間違いなしです。この失敗から学ぶ姿勢を絶えず続けていくことで私たちは自己成長していくといえましょう。
 2年生は春休み明けに新3年生となり、名実とともに本校の大黒柱の役割を果たすことになります。
 1年生は春休み明けに新2年生となり、よき先輩となります。新入生が来月7日に入学してきます。新入生を良い方向へリードしてあげてください。
 現在、新型コロナウイルスの感染拡大によって、日本のみならず各国・地域が厳しい状況におかれています。今が頑張りどころです。必ず夜は明けます。4月以降の学校再開を祈りながら、この苦境を乗りきろうではありませんか