木高の日々の様子

2024年9月の記事一覧

平和を考える講話

 9月19日(木)の7限に、本校第一体育館にて2年次普通科の生徒を対象に「平和を考える講話」を実施しました。お招きしたのは、ロシアによるウクライナ侵攻によって故郷のウクライナを離れ、現在は君津市で生活しているベレジニツキー・ニキタさんと、君津ライオンズクラブでニキタさんをはじめとする避難民の支援を行っている二瓶華織さんです。

 はじめに、ニキタさん自身が制作した動画を視聴しました。侵攻以前に家族や友人とともに過ごしていたときの様子に続いて、2022年2月24日に軍事侵攻が始まってからのあり様が映し出され、生徒は静かにそれを見ていました。二キタさんは、「ミサイルから逃れ、爆発や攻撃があり、ひどいものだった」「2022年はすべてのウクライナ人の人生が一変した」「今は両親、友人、親戚に会いたい、平和な暮らしに戻りたい、その一心」と語っていました。

 

 動画を視聴したあとは、二瓶さんから生徒へ、もしも自分が「生きるために、家族と離れ、文化や風習も違う、友達や知り合いもいない、遠く20時間かかる安全な国に避難する」か「家族と共に、いつ死ぬか分からない中で戦争の起こっている自国に残る」か、どちらかを選ばざるをえない状況になったら、どちらを選択するかという問いかけがありました。二瓶さんが挙手を求めると、どちらの選択肢にも一定数の生徒が手を挙げていました。この難しい決断を実際に迫られたのが、二キタさんをはじめとするウクライナの人々だったのです。二瓶さんは自身の支援活動の経験から、平和につながる「笑顔・感謝・出会い・行動すること」の4つを大切にしてほしい、とおっしゃっていました。

 

 ニキタさんは、15歳のときに来日してから日本語の学習を続けており、この講話でも自ら日本語でコミュニケーションを取っていました。二キタさんと生徒の交流の時間になると、「日本にきて心が動かされたことは何か」「日本の食べ物で好きなものは何か」「なじみのない外国語を、どうやって勉強しているのか」といった様々な質問が出て、二キタさんはそれに流暢な日本語で答えていました。「動画で歌を歌っている様子が映っていたが、これは伝統的な歌なのか」という質問から、「伝統的な歌ではないが、誕生日に友人が自作の歌を作って歌ってくれた」「素敵な歌だと思いました」「ありがとうございます」というやり取りが生まれる一幕もありました。また、「ウクライナで一番おいしいごはんは何か」という質問には、「ボルシチ。とてもおいしいので、戦争が終わって訪ねる機会があったらぜひ食べてほしい」と答えていました。「ウクライナに戻ったらまずはじめにやりたいことはあるか」という質問には、「家族、友人、親戚、みんなに会って、友達と遊びたい、それだけ」と答えていました。

 

 講話のあとも、二キタさんのもとに行って話をする生徒の姿が見られるなど、活発な交流が行われていました。戦争の悲惨さや恐ろしさを経験した当事者であるニキタさんの平和への思いに直接触れられたことは、生徒にとって印象深い体験となったことでしょう。

 

ニキタさん、二瓶さん、本当にありがとうございました。一刻も早く戦争が終結し、ニキタさんが故郷の人々と会えることを心より祈っております。

2年次分野別進路説明会

 9月12日(木)の6・7限に、本校各教室にて2年次分野別進路説明会を開催しました。現在大学に通っている本校卒業生12名の先輩方が、受験勉強や大学生活について自分の経験に基づいて話を聞かせてくれました。
 高校時代の受験に向けた過ごし方については、各先輩方が「学習事項の全体像を把握する・上手い人のやり方を真似る・スケジュールを管理する」などといった具体的な方法を紹介したり、高校時代の実際の勉強時間の話をしたりしていて、生徒たちはメモを取りながら真剣に耳を傾けていました。
 大学生活については、自分の時間割の説明や取り組んでいる研究の紹介、留学の経験といった学業に関することの他、アルバイトやサークル、下宿先の家賃といった面にも話題が及んでいました。地元から2時間以上かけて都内の大学に通っているという先輩もおり、驚きの声が上がっていました。学部学科ごとに研究内容に大きな違いがあることに入学してから気づいたという先輩は、「高校時代の大学研究の大切さ」を強調していました。
 これから受験に向けた準備が本格化していく中で、先輩方の生の声が聞ける貴重な機会となりました。卒業生の先輩方、後輩たちのために本校まで足を運んでくださり、本当にありがとうございました。