概要
高等部は,学校教育の最終段階として,卒業後の進路が重要な課題になります。そのために,基本的な生活習慣の定着や健康な身体づくりを基盤にしながら,社会人として自立していくために必要な能力・態度,好ましい人間関係や豊かな心の育成などを重点におきながら指導・支援しています。
近年の高等部の生徒数の増加、障害の多様化に対応するため、平成27年度新1年生より高等部普通学級の教育課程を類型化して、A課程(重複学級)、B課程(普通学級)、C課程(普通学級)3つに分かれて実施しています。各課程の目標、進路目標、目指す生徒像、対象生徒については以下のとおりです。
| A課程(重複障害) | B課程(重度・中度障害) | C課程(軽度障害) |
目標 | 身辺自立・生活自立 社会自立 | 生活自立・社会自立 | 社会自立・職業自立 |
進路目標 | ・福祉就労 | ・企業就労 ・福祉就労 | ・企業就労 |
生徒像 | ・日常生活に必要な力を高め、健康的に落ち着いて仲間の中で生活する。 | ・日常生活に必要な力を身につけ、仲間とともに活動に取り組む。 | ・社会自立に必要な力を確立し、周りの人と協力して活動に取り組む。 |
対象生徒 | ・指示理解に個別の支援を要する生徒 ・身辺処理に多くの支援を要する生徒 ・重複障害があり、障害が重度の生徒 | ・一斉の指示理解に個別の支援を要する生徒 ・身辺処理の自立に個別の支援を要する生徒 ・福祉就労、企業就労に向けて個別の支援を要する生徒 ・情緒の不安定さから個別の支援を要する生徒 | ・一斉指示で行動ができる生徒 ・身辺処理が自立している生徒 ・企業就労を強く希望する生徒 ・通学などで公共交通機関を自力で利用できる生徒 |
A課程では自立活動を重視し、日課に位置づけて指導します。原則、週日課に沿って行いますが、生徒一人一人の教育ニーズに合わせて学習を進めていきます。
B課程では作業学習を中心とした教育課程になっています。また、一人一人のニーズを把握し、個別に支援をしながら学習を進めていきます。
C課程では作業学習に加え、教科学習も入った教育課程になっています。
どの課程でも特に「働く力」を大切に考え,作業学習を日課の中心に据えています。作業班は,A・B課程は農業・園芸・陶芸・縫工・木工・レザークラフトの6班,C課程は農業・サービスの2班あり,生徒一人一人の実態を考慮して所属班を決め,活動しています。A課程,B課程では,体力の維持・増進、コミュニケーション能力等の育成を図る「自立活動」,「音楽」「美術」「保健体育」では情操面・体力面での充実感を味わい,総合的な学習の時間の「わくわくタイム」では,自ら課題を解決する主体性を養えるように学習内容を工夫しています。特に、C課程では高等部卒業後の社会生活・家庭生活・職業生活に向けて「国語」「数学」「理科」「社会」「情報」「家庭」「職業」などの教科学習をおこなっています。また、高等部卒業後の進路を考えたり、ソーシャルスキルトレーニングを行ったりする「総合的な学習の時間A」、卒業後の余暇活動を考え、実際に体験する「総合的な学習の時間B」も設定しています。