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2020/01/07

校長室より195 3学期始業式式辞

Tweet ThisSend to Facebook | by 校長
 本日、令和元年度3学期始業式が行われました。式辞としてこんな話をいたしました。


 おはようございます。令和2年、西暦2020年の始まりです。今年が、ひとりひとりにとって、すばらしい年であるよう、心から願っています。本当のことを言うと、すばらしい年であるよう願うことよりも、すばらしい年にするために何をするかの方がとっても大切なことで、だから、酒井自身も、自分自身のために、家族のために、ここにいる皆さんのために、自分にできることを不器用でもこつこつとやっていく年にすると、自分で自分に約束したいと思います。皆さんもそんなふうに思ってくれるとうれしいです。

 さて、2学期の終わりに「2学期を振り返って」というアンケートのようなものを書いてもらいました。冬休みの間に、すべて読ませていただきました。みんな一人ずつ異なる、自分の思いを書いてくれました。丁寧に誠実に書いてくれた文章がたくさんあって、心からうれしく思いました。ここにいるのは「480人の生徒たち」ではなく、それぞれかけがえのない480の「あなた」なのだと強く感じました。金子みすゞさんの言葉どおり、「みんな違ってみんないい」と改めて思いました。どうもありがとうございました。

 アンケートの後半では、12のスキルを挙げて、この2学期に得たと思うもの、伸びたと思うものを選んでもらいました。12個すべてを選んだ人もいれば、ひとつも選ばなかった人もいました。いろんな感じ方があっていいと思います。学校の先生の立場から言えば、やっぱりたくさんの生徒に「自分はここが伸びた」って実感してもらいたいし、先生がたにも、生徒が自分の成長を実感できるような取り組みをしてくださいとお願いをしたところです。

 その12のスキルの中に、「自己肯定」というものがありました。「自らをかけがえのない存在と感じ、自分の個性を大切にすることができる」力です。実は、この力が伸びた、新たに得たと感じてくれた人はおおむね1/3でした。他のスキルに比べるととっても少ないのです。以前もこのような場でお話をしたと思いますが、僕はこの「自己肯定」ってとっても大事な力だと思っています。あなたに「自らをかけがえのない存在と感じ、自分の個性を大切にすることができる」ようになってほしいと心から願い、それが学校の最も大きな役割であるとさえ思っています。

 ただ、この「自己肯定」というものは、そんなに簡単なことではありません。ここでこうやって話をしている僕自身さえ、自分の心の奥底をのぞいてみれば、自分自身をかけがえのない存在と感じるどころか、どうでもいい、つまらないゴミのように感じることもたくさんあるし、自分の個性なんて、投げ捨てることもできない重い荷物のように感じてならないときもあります。でも、そういう自分を励ましながらなんとか生きています。多かれ少なかれみんなそうなのかもしれないと思います。

 だから「自己肯定」ってどうやったらできるのか、昔から一生懸命考えてきました。

 話は変わりますが、毎年1月2日と3日、大学対抗箱根駅伝というものがあります。東京の日本橋を出発し箱根まで行って戻ってくる長距離走のリレーです。テレビ放送もされる風物詩のようなスポーツイベントですから、競技をご覧になった人もいると思いますし、話にくらいは聴いたことがある人も多いと思います。

 正直に言うと、僕は駅伝って大っ嫌いでした。家族がテレビで箱根駅伝を見ていると不機嫌になって自分の部屋に閉じこもってしまうくらいでした。見ていて、つらくて苦しいんです。吐きそうになってくる。実は僕自身、子どもの頃に駅伝の選手だったことがあって、東京都の大会に出場したこともあります。たとえば同じチームにすばらしい選手がいたとしても、その前を走る選手がふがいなくて最下位でタスキを渡すことになったら、どんなにすばらしい選手でも1位でゴールすることはできない。そんな重圧に押しつぶされる自分が思い出されて、まったく受け付けなかったのです。

 あるときラジオで箱根駅伝の選手がインタビューを受けていました。「同じチームのメンバーが日頃どんなに努力をしているか、どんな思いで大会を迎えているか、自分のこと以上にわかっているから、たとえどんな結果であっても、それが仲間の精一杯であることが信じられる。だから、どんな順位であっても、そこから自分も頑張ろうと思える」。そう話していました。あのころ、誰かにそう言ってほしかった、せめて自分で自分にそう言いたかった。密かにそう思いました。でも、それから駅伝のテレビ中継を、応援しながら見ることができるようになりました。

 僕らは、なかなか自分で自分をかけがえのない存在だなんて思えない。自分の個性なんて大切に感じられない。だけど、誰かそばにいる人に、「僕にとって君はかけがえのない存在だよ」「あなたがあなたであることは私にとって大切なことだよ」と言ってあげることならできるような気がするのです。そして、誰かに認めてもらえること、信じてもらえることほど、「自分は自分でよかったんだ」って思えることってないと思うです。だから僕は、自分の周りの人に対して「あなたがあなたでいてくれてありがとう」って思いたい。思うだけじゃなくて伝えたい。それが、もしかしたら巡り巡って自分自身の「自己肯定」にもつながるのではないかなってこっそり思ったりもするのです。

 それでもやっぱり、そんなふうに言ってくれる人も、そんなことを伝えたい人も見えなくなることだってあるかもしれません。駅伝の話に戻せば、チームメイトからタスキを受け取り、また別のチームメイトにタスキを渡すのがリレーです。でもよく考えてみると僕自身が、実は孤独なリレーを走っているのかなと思うときがあります。去年の自分が走り続けつないでくれたタスキを、今年の自分が受け取り、精一杯走って来年の自分にタスキを渡す。そんなふうにしてずっと生きてきたのかもしれない。そう考えたときに、「たとえどんな結果であっても、それが去年の自分の精一杯であることが信じられる。だから、そこから自分も頑張って来年の自分にタスキをつなぐ」って言えるかどうか。「自己肯定」ってそんなことなんじゃないかと思うのです。

 ずいぶん話が長くなってしまいました。あなたの書いてくれた言葉と、今年の箱根駅伝の筑波大学を見ながら、そんなことを考えました。あなたの心に、ちょっとでも届く言葉であればうれしく思います。

 去年のあなたからのタスキを受け取り走り出したあなたが、この2020年を自分らしく走り抜ける姿を楽しみにし、応援し続けていきます。

 実際にはもっと話し言葉で、もう少したどたどしく話してしまったと思います。

 個人的な思いが強く出てしまった内容で、寒い中聞いてくれた人たちに応えることができていたのか、心許なく感じる気持ちもあります。真剣に耳を傾けてくれた生徒ひとりひとりに、心から感謝をいたします。

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