ようこそ、校長室へ。
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校長室より愛をこめて

第21代校長ブログ

校長室より464 御挨拶

本日、千葉県教育庁にて退職辞令をいただき、また校内でも多くの職員、生徒に見送られ、やっと本校を去る実感が湧いて参りました(送り出された後で校内に戻り片づけをしていたのですが)。応接室を出た時、職員玄関を出た時多くの生徒が待っていてくれて、それぞれにユニフォーム姿で手を叩いてくれた風景を、僕は忘れることはないと思います。

同窓会長小宮さま、前会長榎本さまを始め、多く方から心のこもった贈り物や温かいお言葉をいただきました。わざわざ足を運んでくれた卒業生もいました。本当に嬉しく思いました。皆さまに支えられてこそ、京葉高校はさまざまな波を越えてくることができました。ありがとうございます。

思いのみが先行し力不足が恥ずかしいばかりの校長でしたが、頼もしい先生がたのおかげでなんとか3年間を過ごすことができました。明日からこのメンバーと一緒に仕事をすることができない、その実感は未だに湧いてきません。すばらしいスタッフと出会うことができたことを心から感謝いたします。これからも、新校長の下、今まで以上にすばらしい学校を作り上げてくれることを確信しております。

酒井は、明日から初心に戻り一教諭として教壇に立ちます。この3年間多くの方々から学んだことを活かし、自分にできる形で新しい生徒たちのために全力を尽くしたいと思います。

本当に今までどうもありがとうございました。京葉高校で過ごすことができて、僕は本当に幸せです。

校長室より463 未来へ繋がるキャリア・パスポート

本校では、「キャリア・パスポート」という名で、全生徒に、毎学期ごとの取り組みの成果とその感想を書いてもらっています。もちろん学期はじめには、その学期の目標なども書いてもらっています。また年度終わりには、今年度1年間で成長できたところと、これから成長させたいと思うところを、本校の教育目標と照らし合わせながら考えてもらうような取り組みをしています。節目節目で、目標を立て実現する方法を考えたり、取り組みを振り返って成果を確認したり改善点を考えたり、その繰り返しが人を成長させる、特に高校時代は、と考えています。

僕は、毎学期全部を読ませてもらっています。何年も続けて読んでいると、その生徒の成長が感じられます。書いてある内容はもちろんですが、書きぶりというか、取り組む姿勢そのものにも、一人一人の個性がうかがえて、みんなの顔を思い浮かべながら思わず何時間も読みふけってしまいます。始業式の時の話などは、そんな時間の中から生まれることも多いです。



この春休みも時間を見つけて、みんなが書いてくれたキャリア・パスポートを読みながら、1行だけですけど下手な字でコメントを書き込んでいました。2年生はあと1年、1年生ならあと2年、その成長をそばで見守ることはできないけれど、きっとみんな頑張ってくれるだろうと思いながら、なんだかお別れの挨拶をしているような気持ちになります。みんな、かっこいい3年生、2年生になるんだろうな。

不器用かもしれないけど、みんなが自分のキャリア(積み上げた経験)を見つめながら描きあげるパスポート。未来へ繋がると信じています。

校長室より462 花

正門横には満開の桜。
新入生が入ってくるまで頑張ってくれるかな。
新任職員は花に迎えてもらえそうです。



足下にはチューリップのづぼみ。
咲き誇る姿を僕がみるのは難しいかな。
僕に代わって、大勢の人が愛でてくれると嬉しいです。



少し曇り空だけど、春ですね。
校舎やグラウンドから、今日も生徒の声が聞こえてきます。
京葉高校っていいな。

校長室より461 第21代校長が伝えようとしてきたこと

平成31年(2019)年に本校に赴任してから、さまざまな場所で話をしたり文章を書いたりする機会をいただきました。
退職を迎えるにあたって、3年間自分がこれまで話したり書いたりしてきた文章をまとめ、不器用ながらも伝えたかったこととしてPDFファイルにしました。(事情により使われず今回初めて公開する文章もあります)
A4サイズの紙で50ページ超というものですが、興味のある方がいらっしゃれば、ダウンロードしてお読みいただけると幸いです。

第21代校長が伝えようとしてきたこと.pdf

校長室より460 最後の校長講話

令和3年度の最後を締めくくる終業式でお話しした校長講話の内容を紹介します。実際にはもう少しくだけた話し言葉になったところもたくさんありますし、感極まってその場で付け足して話した言葉もあります。こうしてお話しするのも最後だという気持ち、もっともっと伝えたいという気持ちが高ぶってしまって少しお恥ずかしい姿を生徒に見せてしまったかもしれないと、後になって反省したりもしました。でも、悔いはありません。


講話

 今日は、私が校長として皆さんに話をする最後の機会です。これまで、この体育館で直接顔を見ながら、放送室で皆さんのことを想像しながら、時にはこのような式典で、時には音楽と共に、あるいは話ではなく文章の形で、皆さんにたくさんのことを伝えたいと思ってきました。ひとつでも心に残るものがあったとすれば、とても嬉しく思います。

 3年前の4月、私は皆さんの先輩たちに向けて、校長として初めての話をしました。マンガ「ONE PIECE」の話です。単行本でいうと43巻「エニエス・ロビー」編に出てくるサンジくんの台詞を引用しました。

「誰にでもできることとできねえことがある。おまえにできねえことは俺がやる、俺にできねえことをおまえがやれ」

 「おまえにできねえことは俺がやる」と言えるだけの実力と自分に対する自信、「俺にできねえことをおまえがやれ」と言えるだけの自己認識と仲間に対する信頼、それを京葉高校で身につけてほしいと、みなさんの先輩たちに呼びかけたのを昨日のことのように覚えています

 3年たった今もその思いは変わっていません。「4つの力」という形に整理して学校の教育目標として掲げ、キャリアパスポートでもみなさんにお示ししてきました。

 実力、自分への自信、自己認識、仲間への信頼。あるいは本校の教育目標である「自分を大切にする力」「他を尊重し繋がる力」「自分で考え動く力」「未来へ向かう力」。そういったものを身に付け伸ばすためにはどうしたらいいでしょうか。いろんな答えがあると思いますが、こんな私でもとにかく60年生きてきて、「たぶんこれは間違いないんじゃないかな」と思う答えがひとつあります。

 それは「経験すること」です。「なにを今さらありふれた当たり前のことを」と思うかもしれませんが、本当に大事なことや正しいことは、ありふれた当たり前のこととして転がっていたりするものです。

 やりたいことを見つけ、やるべきことから逃げず、ひとつひとつ行動していくこと。うまくいく時もあるけど、うまくいかない時もある。でも、その結果を誰かや何かのせいにせず、きちんと受け止めること。思い切り喜んだり、時にはイヤになるくらい落ちこんだり、そんな自分を引き受けながら、嬉しさも悔しさも新たな行動へのエネルギーにして、次の扉を開けてみる。その繰り返しが人を成長させるのだと僕は思います。

 だから、私は何度でも皆さんに言いたい。「やってみよう。挑戦してみよう。扉があればノックしよう。壁があれば飛び越えよう。転んだらもう一度立ち上がり歩きだそう。必ずその先に何かが待っているから」。

 確かにつらい時代です。感染症拡大防止のため、今まで当たり前のように用意されてきた行事などができなくなり、部活動も制限され、旅行や仲間と遊ぶことさえも難しく、何かを経験するチャンスは見つけにくくなったと言わざるを得ない数年間だったかもしれません。その数年間があなたの高校時代と重なったことをくやしく思うのは当然です。

 しかし、誰かや何かのせいにしたところで、座り込んで文句を言っていたところで、人間はほんのわずかも成長することはできません。

 海の上を滑るように走るヨットを思い浮かべてください。おそらくそのヨットは、後ろからの風を帆に膨らませまっすぐ前に進んでいると思います。確かに追い風を受けて前に進むのは当たり前だし、苦労もなく気持ちがいいことでしょう。

 しかし、立派なヨットとそれに乗り込む優れたクルーは、風がどこから吹いてきても前に進むことができると言います。「ベルヌーイの定理」というものを応用しているそうですが、詳しいことは物理の先生に聞いてくださいね。本当のことです。 「いやいや、『どこから風が吹いてきても前進できる』と言ったって、さすがに前から、真っ正面から風が吹いてきたらそっちに向かっては進めないだろう」、そう思うかもしれませんが、大丈夫、ジグザグに航路を取ることで、回り道にはなっても結果的に前に進んでいくことができるのです。なるほど、と思いませんか。

 今、私たちは逆風に吹かれていると言ってもいいかもしれません。前に進むことを阻むように、強い風が吹きつけてきます。後ろからの風を受けて楽しそうにびゅんびゅん走っていた時代をうらやましくもなるけど、そんなことを思っていてもつらいだけです。何にもなりません。

 ジグザグコースでも回り道でもいいから、工夫して、頑張って、とにかく前へ前へ、と進み続けようとする意思と努力が、今こそ必要なのではないでしょうか。そうして前に向かって進み続けた経験が、うまくいってもいかなくても、あなたを強く豊かにすると私は確信しています。

 どちらから吹く風であってもそれを利用して前進できる優れたヨットマンでも、まったくお手上げになってしまうことがあります。それは風が吹かない状況です。利用できる風がなければ、帆を畳んでオールでこぐしかありません。いやいや、人間は自分の力で風を起こすことができます。たとえば、プロペラです。風に頼って浮かぶことしかできなかったグライダーは、プロペラで自ら風を生み高い空に舞い上がる飛行機になりました。飛行機は、向かい風であっても、いや向かい風であればこそ、それを利用し自らの力に変えて、どこまでも高く飛んでいきます。

 私は、皆さんにそうであってほしい。あなたの中にも大きくて美しい帆があります。力強く輝くプロペラがあります。たとえ逆風であってもその風を受けて、自らの力と情熱で精一杯プロペラを回して、「未来」という美しい青い空に向かって舞い上がってください。その飛行機の中にも翼の隣にも、たくさんの人の笑顔があるはずです。あなたにはそれができる。私はそう信じています。あなたも信じてください。

 これで、私の話は終わりです。

「誰にでもできることとできねえことがある。おまえにできねえことは俺がやる、俺にできねえことをおまえがやれ」

 私はできたでしょうか.あなたはやってくれましたか?

 今までありがとう。皆さんと出会えてとても幸せでした。あなたがたのことが大好きです。どうもありがとう。


今日の表彰伝達式・終業式も、寒い中ではありましたが、生徒たちは開始10分前には体育館に集合し列を整えて着席完了、5分前には静まりかえった体育館でいつでも式が始められる状況でした。式に先立って、それがどんなにすばらしいことであるか、後輩に伝えるべき誇らしい財産であることを、校長として話をさせてもらいました。本当にすばらしい生徒たちに囲まれて、3年間幸せでした。

校長室より459 ちょっとだけモデル気分で

おそらくほとんどの高校には、校長室や応接室の壁に歴代校長の写真がずらりと並べてあると思います。本校の応接室にも20人の元校長先生がいらっしゃって、いつも応援をしてくださっているように感じています。

僕自身の写真も21枚目として末席に加えていただくことになるのですが、せっかくですので本校写真部に撮影を依頼することにしました。そして今日、ちょっとだけモデル気分になって、撮る方も撮られる方もひどく緊張しながら、撮影会を行いました。



型にはまらなくてもいいからできるだけ酒井らしい写真がいいな、というのがリクエストです。フォーマルなものでもあるのでプロにお願いするべきことなのかもしれませんが、笑ったりおしゃべりしたりしながら、生徒の腕前を信じて、あるがままの姿を記録してもらうのが自分らしいと思っています。生徒にとっても、ちょっとした教材になったかなって思います。

さて、どんな写真ができあがるのか楽しみです。(ここに掲載した写真は、写真部の顧問の先生に撮っていただきました)

校長室より458 一年間の思い出に感謝をこめて

今日は全校集会の後、1年間を締めくくる大掃除です。



みんながてきぱきと動いてくれるのが本校のいいところ。忙しく手を動かしながらも、1年間を共に過ごしたクラスメイトとの四方山話が弾みます。



感染症や寒さから守ってくれたストーブや加湿器もきれいに掃除して倉庫に運びます。学年室前の掲示板もすっきりさせて、新しい学年に引き渡すことになります。



1年間使った場所を磨くことは、心を磨き思い出を大切にすることと繋がります。自分が使い終わったこの場所は、今度は誰かが使い始める場所なのですから。その繰り返しが、京葉高校の歴史を作ってきました。これからも作っていきます。

校長室より457 来年度の準備、着々と

季節が少し後戻りをしたような今日、1・2年生は来年度に向けて教科書の購入と個人写真の撮影を行いました。



教科書は業者の方が来て販売をしてくれます。密になることがないように、一人ずつ部屋に入って購入します。みんなぴったりと準備をしてくれていて、スムーズに行うことができました。

何でもないことのようですが、2年前は臨時休校の最中で、どうやって生徒に教科書を届けたらいいのか途方にくれていました。注意をはらい対策を行いながらですが、当たり前のことが当たり前にできることの有り難さを、こんなところにも感じます。



別の部屋では、生徒の個人写真を撮影しています。みんなしっかりと服装等を整えてきてくれていて、なかなかかっこいいです。しばらく見ていたのですが、考えてみれば僕にとっては、マスクを外した1年生の顔を見るのは、これが最初で最後かもしれません。なんだかとても寂しい気持ちになりました。

ひとつひとつ着実に、来年度に向けた準備が進んでいきます。生徒・先生がたの来年度が明るく充実したものであることを、心から祈ります。

校長室より456 入学式まで約20日、みんな楽しみに待ってます

今日は「入学候補者説明会」です。先日の選抜で見事に合格を勝ち取った120名の入学候補者とその保護者の皆さんに御来校いただき、教科書の配布や入学前の説明などを行いました。入学を控えた中学生たちの前途を祝福するような、温かな陽射しが降り注いでいました。



感染症対策のため、あまり長い時間をかけるわけにもいかず、行き届かない点もあったかとも思いますが、本校職員の説明に皆さん熱心に耳を傾けてくださり、提出していただく書類などもスムーズに集めることができました。御協力に感謝いたします。何より未来の京葉生たちの誇らしそうに輝く表情が印象的で、こちらまで期待で胸がいっぱいになりました。



今日もまたいつものように、会場の設営や片づけ、来校者の案内などたくさんの1、2年生が手伝ってくれました。目立つ場所にいた人もそうでない人もいますが、みんなこそが京葉高校の一番の「長所」です。ありがとう。



以前は、公式な説明会の後に部活動の生徒による説明があったのですが、ここ数年は自粛をしています。今回も、部活動を紹介するパンフレットを作って配付しました。こちらも高校生活の入り口としてワクワクに繋がってくれると嬉しいです。



入学式まであと20日ほどです。中学生活の締めくくりと高校生活への助走として、充実した日々を過ごせることを祈っています。

校長室より455 憧れの先輩たちからの熱いアドバイス

今日の放課後、「進学座談会」が開催されました。これは、この3月に卒業したメンバーを何人か学校にお招きし、大学・短大入試や公務員試験の経験について後輩にアドバイスしてもらう会です。



今年度は8人の卒業生が後輩のために来校してくれました。つい先日まで本校の制服を着ていたことが信じられないくらい、しっかりと頼もしく爽やかな姿がとてもまぶしく見えました。進路指導主事のリードのもとで話された内容も、みんなきちんと整理されてわかりやすく、また苦労も含めて実感がこもっていて、これから自らの進路実現に挑戦する後輩たちにとっては、何よりもすばらしいアドバイスだと感じました。

教室いっぱいに集まった1,2年生も熱心に耳を傾けながら、配付されたワークシートにびっしりとメモを書き込んでいました。このメモは、各自の進路関係のファイルに大切に保管されることになります。部活などさまざまな場所でお世話になった先輩たちの経験を、自分なりに大切に活かしてくれることと思います。とても充実した1時間でした。

卒業生の皆さん、今日は後輩のためにどうもありがとうございました。

校長室より454 自分で決めるためには、まず決め方を学ぶべし

答案返却日1日目の今日、放課後になると「学校の選び方講座」というものが開催されました。これは、1,2年生を対象にして「自分が進学する学校を選ぶにはどうすればいいか」について、4年制大学・短期大学と専門学校に分かれて学ぶものです。株式会社キッズ・コーポレーションから講師の先生をお招きし、それぞれおよそ1時間の講座でした。



高校卒業後の進路というのは、おそらく人生の大きな部分を決めていきます。だからこそさまざまな情報を集め自分でしっかりと考えてほしいのですが、その方法についてきちんと説明する機会というのはありそうでないのではないかと思います。自分に合った進路先を探すために何をしていかなければならないか、どのような観点から比較していくのかなど、大切な話をたくさん聞くことができました。



講座が終わってからは場所を改め、資料の頒布会を行いました。直前の講座で学校の調べ方や比べ方の話を聞いたばかりなので、多くの生徒が興味のありそうな学校のパンフレットを手に取っていました。

生徒諸君!ひとつひとつ丁寧に進めていきましょうね。先生がたもみんな応援していきます。

校長室より453 春はもうすぐ、ゆめゆめ備えを怠らず

期末考査が終わった午後、穏やかで温かい日が降り注いでいました。定期考査のためにしばらくの間部活動ができなかった生徒たちが、待ちかねたように動き始めました。




感染症対策のため活動時間が制限されてはいますが、少し鈍った体と心に火を入れるようにして、少しずつ動いています。コートやグラウンドの整備も大切な活動です。アップをしながらも試験の出来の話を仲間としている姿が、いかにも高校生で笑ってしまいました。




もうすぐ春の訪れです。4月になれば待ちに待った新入部員も入ってきます。みんなが先輩たちにしてもらったように、今度はみんながすてきな先輩になって、本校のかっこよさを身をもって伝えてほしいと思います。3学年そろい活気に満ちた京葉高校を見たいものです。



春はもうすぐ。ゆめゆめ備えを怠らず。

校長室より452 身近なところに大河ドラマの世界

本校の前同窓会長である榎本悦さまより寄贈していただいた資料を、図書室に展示しました。少し前にいただいたのですが、期末考査の終わりを待って、生徒の目に触れやすいところに飾り直しました。



資料は、「総の国の頼朝伝説」「上総の国いちはらにおける将門伝説と頼朝伝説」、上総の国いちはらの歴史を知る会が作った冊子です。ちょうどNHKの大河ドラマで扱われていた時代でもあり、僕自身も大変興味深く読ませていただきました。内容はとてもわかりやすく説明してあり充実しています。写真や図もたくさん掲載されていて、作った方々の思いが伝わってくるように感じました。

生徒の歴史好き心に刺さりそうです。こういった地元の人たちの取り組みを、いつか本校生徒たちが誇りを持って引き継いでほしいと思います。図書館とは別に、社会科の先生がたにもお届けしました。授業での活用も楽しみです。

校長室より451 今年度最後の定期考査

3年生(もう卒業生を言うべきですね)から遅れること約1ヶ月半、1、2年生も今年度最後の定期考査です。昨日とは打って変わった暖かな陽射しの中、真剣な顔が頼もしく感じられます。



感染症拡大の中、さまざまな困難を乗り越えて学び続けてきた1年間でした。成果を大いに発揮してくれることを期待し、祈っています。

校長室より450 卒業はゴールではなく、スタートなのです

千葉県立京葉高等学校、第57回卒業証書授与式が挙行されました。私にとっては、共に京葉高校に入り、共に別れを告げる生徒たちです。生徒たちや保護者の皆さんには到底及びませんが、自分なりに感慨深い卒業式となりました。




以下に式辞の内容を紹介します。異例の内容かもしれませんが、どうしても伝えたい思いを、全力で届けようとあがいた結果です。実際には、あふれだす感情に溺れそうになり、必死で原稿を読むことでなんとか話し続けることができたような状況で、きっととても聞き苦しい、言葉が整わないものであったと思います。



卒業生の皆さん。

「卒業おめでとう」という言葉の前に、できるだけ正直に皆さんにお話をさせてください。この場にはふさわしくない言葉もあるかも知れませんが、どうか許していただけるようお願いします。

今、どうしても心を離れない、心から離したくない言葉があります。それは、今年一月、三学期の始業式のあと一人の生徒からもらったメッセージです。

それは、こんな言葉から始まります。

「高校三年です。もうすぐ卒業することにすごくくやしい気持ちでいっぱいです」

そしてその後、感染症のため多くのことが中止になったり制限があったりする中、悔いを残さないように常に心がけ、精一杯前向きに過ごしてきたこと、それでも、せっかく知り合った仲間と、充実した時間を過ごすことができなかったと感じ、高校生活に大きな未練が残ってしまっていることを綴っていました。そして最後に、後輩たちに同じ思いをさせないでほしいと、強く訴えかけてくれていました。読んでいて、胸が締め付けられるような気持ちになりました。

あなたが正直な思いを伝えてくれたこと、心から感謝します。あなたの思いは、今日この場所で卒業を迎える仲間たちの思いです。そしてこの三年間、同じ時代を過ごしてきた世界中の人々の思いだと思います。耳をふさぐことが許されない本当の言葉です。

三年前の四月九日、私はこの場所ではじめてあなたがたと会いました。私は、あなたがたの入学を誇らしく宣言し、あなたは京葉生の一員として、高校生活の扉を開けました。あなたがたひとりひとりが、これから始まる三年間を思い描き、「何をやろうか、何ができるだろうか」と大きな期待で胸をいっぱいにしていたことでしょう。私もまたあふれるほどの喜びと共に、ここにいる生徒たちの幸せのために全力を尽くすことを誓いました。

今になって思えば、それは無力な自分を過信した思い上がりでした。ただ私は、あなたがたの笑顔が見たかった。何かに挑戦し前進していく足音を聞いていたかった。ひとりひとりが自分の形で成長し、それぞれの夢を追いかけることができる学校を、力の及ぶ限り大切にしていたかった。

今、あなたの姿を見守っている先生がたは、毎日毎日、本当に一生懸命に頑張ってくれました。本日御臨席いただいた来賓の方々をはじめとした多くの人々も、さまざまな形であなたを支えてくれました。誰よりもあなたを気遣い慈しんでくれたあなたの家族、そしてなにより、あなた自身と友人たちの不断の頑張りと温かな友情のおかげで、少なくとも本校生徒の、なによりも大切な命を守ることができています。

それと引き換えに今までどおりにできなかったことはいくつもあります。我慢せざるを得なかったこともたくさんありました。あなたのくやしさを、もしできることなら私も一緒に背負いたい。人の心を全部そのまま理解することはできないけれど、まったく同じ痛みを感じることはできないけれど、まして代わりに背負うことなど決してできないけれど、私はあなたの思いのそばにいたい。無力であっても、思い上がりであったとしても、私自身のことでもあると感じることを許してほしいのです。しかし、その上で私は、京葉高校の校長として、教員として、一人の大人として、人間として、何度でも何度でも、あなたに呼びかけ続けます。

なくしてしまったものは、また探しにいこう。壊れてしまったものなら、もう一度作り上げよう。命ある限り、まだまだ人生は続きます。幸せになるために生まれてきたのだから。幸せにするために生きているのだから。

もしあなたが、自分の過ごした高校生活は貧しいものだった、先輩たちに比べて淋しいものだったと言うのなら、私は必ずまっすぐにあなたを見て言い返したい。

比べる必要なんかない。あなたが誰とも違うかけがえのない人間であるように、あなたの過ごした月日は間違いなく、かけがえのない宝物です。価値のない人間なんてどこにもいないように、意味がない時間なんか絶対にない。自分が幸せかどうかは、自分自身で決めるものであるのなら、過ごした日々の意味はあなたが決めていい。いや、決めなければならない。それなら、つらかったことも含めて、二度とないあなたの三年間を、全力で誇りに思ってほしい、と。

もしあなたが、いつか高校生活を振り返る時、光の射さない暗闇のような日々だったと悲しむことがあるとしたら、私は確信を持って力一杯否定します。

くやしいこともたくさんあったけど、あなたはいつもあなただった。笑い合える友だちもいた。たくさんの人があなたを支えてくれた。あなたの笑顔も、真剣な顔も、とてもすてきで、まわりの人を支え、幸せにしてくれた。あなたやあなたの友だちが放つ光は、あなたの高校生活をいつも明るく美しく照らしていた。生きる意味は、探すものではなく自ら作るものであるように、あなたはすばらしい高校生活を自らの手で作り上げてきた。三年間あなたをみていた家族、友人たち、先生がた、そして私はそれを知っている。あなたもそれを知っているはずだ、と。

いろんなことがありました。でも、どんなことがあっても、そこには自分自身を投げ出さないあなたがいました。あなたらしさを愛し、支える人たちがいました。同じ時を過ごす仲間がいました。そんな三年間をつまらないものと言っていい人間は誰もいない。あなた自身を含めて、そんなことは誰も言えるはずがないのです。確かに未練がないといったら嘘になるかもしれない。でも、少しの未練もなく青春を振り返る人など、どこにもいないのではないでしょうか。

三年前の入学式、この場所で私が話したことを覚えてくれていますか。私は「2045年問題」のことを話しました。コンピューターが人類の知能を追い越していく社会の中で、四十代のあなたがたは生きていくのです。今ある職業の半分以上が、人工知能やロボットに取って代わられると予想される大変革の時代、去年の常識がもう今年は通用しない、来年はどうなるか更にわからない、そんな時代の中で、あなたは未来を切り開き、愛する者と幸せに暮らしていくのです。大人になったあなたが、どんなにたくましく力強く生きていても、時には迷うことがあるでしょう、十代後半の今以上に、つらいこともあるでしょう。くやしい思いをすることだってたくさんあるかもしれません。そんな未来のあなたに私は伝えたい。

あの時のあなたも、あの日まだ十代後半だったあなたも、しっかり前を向いていた。悔しさを力に変えていた。仲間と家族を大切にして、生きることに、成長することに、ちゃんと一生懸命だった。コンピューターじゃなくて人間だから、昔も今もこれからも、あなたにしかできないことはきっとたくさんある。コロナ禍に負けず高校時代を過ごしてきたあなただから、悩み苦しんだあなただからこそ、きっとそれがわかっているはず。自分、家族、仲間、そして未来を信じよう、と。

卒業はゴールではなく、スタートです。

私は子どもの頃、小さな美しいバトンを受け取りました。そしてそれを、ずっと大切にしてきました。そのバトンを次のランナーに渡すために、長い間学校の先生をしてきました。自分の子どもの親にもなりました。誰に渡しても、どれだけ渡しても、消えるどころかますます輝きを増すバトンは、今も僕の心の中にあります。

今、あなたの胸の中にも、誰かが渡してくれた小さくて美しいバトンがあります。それは、長い歴史の中で、人から人へと引き継がれてきた目に見えないバトンです。私たちはみんな、毎日の暮らしの中で、はるかな歴史の中で、美しい小さな目に見えないバトンを引き継いで走るランナーなのです。

今、あなたは、これまで誰も体験したことのない困難なコースを仲間と共に走り抜き、今日を境に、さらに新しいゴールに向かって走り出そうとしています。あなたは挑み、耐え、闘い、そして打ち勝ちました。今日あなたが手にする卒業証書は、その証しです。

本日、多くの保護者の皆さまのご臨席を賜り、また、同窓会長 ○○ ○○さま、PTA会長 ○○ ○○さまに見守っていただく中、こうして卒業証書授与式を挙行できたことを、心から嬉しく、あなたがたを誇らしく思います。保護者の皆さまにおかれましては、前例のない苦しい状況の中、本校の教育活動に御理解と御協力を賜りましたこと、京葉高校一同を代表して心から御礼申し上げます。

最後に、残念ながらこの場で皆さんを見送ることがかなわなかった在校生の分まで、万感の思いをこめて申し上げます。

御卒業おめでとうございます。あなたの高校生活はまぶしいほどに輝いていました。その光が、あなたの未来を、あなたと共にいるすべての人を美しく照らすことを確信し、式辞といたします。

令和4年3月8日
千葉県立京葉高等学校 校長 酒井 一成

校長室より449 ようこそ、未来の京葉生たち

今日は、千葉県高等学校の入学者選抜の結果発表がありました。



例年どおり玄関前に入学候補者の受験番号を掲示したのですが、今年度から各高校の公式サイトにも結果が掲載されるようになり、また本校では今年から必要書類を学校での手渡しから郵送に変更しましたので、密状態になることはありませんでした。

それでも、自分の受験番号を背に記念写真を撮影している人などを見ると、「頑張ろうな、未来の京葉生!」と声をかけたくなります。逆に肩を落として歩いていく中学生を見ると、「残念だけど、頑張っていけばきっと良いことあるよ」と寄り添ってあげたくなります。

明日、卒業していく高校生あり、今日候補者となった中学生あり、みなが一生懸命ですてきです。

校長室より448 久しぶりの3年生登校、賑やかな教室

3年生が久しぶりに登校してくれました。
変わらない雰囲気、あのにぎやかさ、いつもと同じ挨拶。懐かしいものに久しぶりに会ったような気がしますが、これももう数日ですね。クラスメイトと会うのも久しぶりの人が多いのでしょう、いつもよりもちょっと照れている感じだったり、いつもよりもちょっとテンションが高かったり、廊下や教室の様子をみているだけで、思わすニコニコしてしまします。



学年の先生がたも同じような気持ちなのかな。生徒を見守る視線に温かさと、ちょっぴり緊張した雰囲気を感じます。最後の門出をすばらしいものにして送り出してあげたい気持ちの表れだと思います。



いよいよ締めくくりです。後輩たちが並べてくれた椅子に座り、卒業式の練習に余念がない3学年の生徒と先生がたでした。

校長室より447 卒業を迎える先輩たちのために

明日は3年生の登校日。卒業式に向けて、2年生が会場作りをしてくれました。
感染症対策のため、今年も先輩たちの最後の晴れ姿を見ることができない在校生たちですが、こういうところに先輩たちの思いをこめてくれているのだと思います。どんどんと椅子が並んでいきます。



床に座り込んで椅子の列を見る人、その指示を受けて直線になるように椅子をずらす人、3年生が座りやすいようにときれいな椅子を探してきて置き換える人。一生懸命な姿をたくさん見ることができました。



3年生もいつか来た道ですね。後輩たちの思いが届くといいなと祈ります。

校長室より446 校内放送再開、祈りを込めて

入学者選抜試験(高校入試)などのためしばらくお休みしていた校内放送を、今日久しぶりに再開しました。

感染症対策のため日ごろ発表する機会を持ちにくい吹奏楽部と合唱部が、自分たちの演奏を録音して持ってきてくれたので、今日はさっそく吹奏楽部の演奏で、星野源さんの「SUN」をお届けしました。楽しんでもらえたら嬉しいですし、部員のみんなの頑張りに応えられていたらもっと嬉しいです。すてきな演奏でした。

もう1曲は、SMAPの「Triangle」を聴いてもらいました。ささやかだけど、断固とした平和への祈りをこめて。

明日は、合唱部の演奏をみんなに聴いてもらおうかと思います。そろそろ最終回が近づいています。少し淋しいです。

校長室より445 まだ見ぬ後輩たちに思いをはせて

明後日からの高校入試(入学者選抜)に向けて、今日は授業を早めに切り上げて全校一斉に準備を行いました。いつものように生徒たちが大活躍をしてくれます。



普段とは使う部屋も異なるし人数も違うので、まず机や椅子の移動をします。後で元に戻せるよう移動前に印をつけたり、椅子の足の裏のほこりを粘着テープで取り除いたり、みんなきちんとやってくれます。自分の荷物の片づけでてんやわんやの人もいたのは内緒です。「わがクラス」のモニュメントである掲示物なども、しばらくの間は休憩です。丁寧に外して仕舞っています。



そして掃除。いつもよりも教室が広く感じます。教室以外に廊下や階段を掃除してくれている生徒もいます。冷たい水を流しながら手洗い場を洗ったり、雑巾で床を磨いたり、洗剤と新聞紙で窓を拭いたり、本当に頭が下がります。



何よりもステキだと思うのは、誰かに言われていやいやながらブツブツ言いながらやっている姿がみあたらないこと。黙々と集中してやっている人、仲間と楽しそうに声をかけ合っている人、自分から進んで「やることありますか」と声をかけてくれる人。「去年やおととしの今ごろは何してました?」と聞くと、「やっぱり入試前でドキドキしながら家にいました」と答えてくれます。みんなの先輩たちも、みんなと同じように一生懸命になって後輩を迎え入れる準備をしていたんですよ。



入学者選抜モードに様変わりした学校。掲示物を設置したり感染症対策の消毒をしたりといった最後の仕上げは先生がたの仕事です。せっかく本校を志望してくれた全員が気持ちよく頑張ることができるよう、京葉高校は力を合わせています。