「放送大学オンライン先取り学習」で期待される教育的効果は大きく3つあると考えられます。
(1)普段の授業では扱いにくい高度な内容が学習できる
(トップ人材の育成につながる)
(2)生徒個々の知的好奇心や進路希望に応じた多種多様な学習ができる
(個別最適化学習の実現につながる)
(3)地方の高校であっても、地理的、地勢的ハンディキャップがほぼない
(オンライン学習であることのメリット)
【課題研究との関係】
「放送大学オンライン先取り学習」は、SS探究(本校における総合的な探究の時間の呼称)や理数探究で行われる「課題研究」と親和性が高いと考えられます。
課題研究では、高校での学びの集大成として、高校での学びの集大成として、機器の操作やサンプリング、データの統計的扱い、仮説-検証の組み立てなど、科学的探究に必要な様々なスキルの習得とともに、生徒の主体性や創造性など、コンピテンシーベースの資質・能力の育成を目指しています。これらは生徒全員に共通する目標です。
一方、課題研究で扱うテーマ(研究内容)は、それぞれの生徒ごとに異なります。例えば、ある生徒は界面活性とイオンとの関係をテーマに、ある生徒は、雑草の生存戦略をテーマに研究を進めます。研究を効果的に進めるためには、それぞれのテーマに沿った学問的理解を深化させる必要があります。しかし、通常の教科・科目の学習だけで十分に満たすことはできません。生徒個々の自学による学習が不可欠です。このような場面で、「放送大学オンライン先取り学習」による個別最適化学習が、大きな役割を担うと考えられます。
例えば、探究に必要な様々なスキルを x軸に、コンピテンシーベースの資質・能力を y軸に、生徒それぞれの研究テーマに沿った個別最適化による学問的深化を z軸にとると、課題研究によって育成される総合的学力は、3次元のマトリクスとして表すことができると考えられます(下図)。課題研究は、これら3つの要素が有機的に絡み合い、生徒の総合的学力を伸長させるのだと考えられます。
「放送大学オンライン先取り学習」は、個別最適化による新たな学びの場を生徒たちに提供してくれます。
(課題研究における総合的学力伸長のイメージ)