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『臓器移植推進出前授業』

「命について考えて」臓器移植直面の2人講演

平成28年12月21日(水)千葉日報朝刊 8頁県西コーナーの記事から抜粋

 
心臓移植を待つ人と体験者が講演する『臓器移植推進出前講座』が本日、本校の体育館で開催された。本校の人権教育の一環で、命の大切さを生徒に伝える狙い。臓器移植に直面した二人が悩みや希望を語り、全校生徒966人が真剣な表情で耳を傾けた。
 同講座は、千葉ヘルス財団が主催。移植を待つ患者数に対して臓器提供数が少ない状況の中、同財団が2012年から、移植医療を理解してもらおうと大学医学部や看護専門学校などで始めた取組。高校で開催するのは初めて。

 補助人工心臓で生活しながら心臓移植を待つ船橋市の河合容子さんは『余命1年からのスタート』と題し、拡張型心筋症を発症してから移植を目指すことを決めるまでの思いを語った。移植を待つ上での悩みも告白し「余命1年だった私が心臓移植を知って今も生かされている。移植医療の可能性や自分の命をどう使うか、若い人に考えてほしい」と呼び掛けた。

 23年前に心臓移植した佐倉市の木内博文さんは『二人三脚で共に生きる』と題して講演。当時の心境や移植後も薬を飲み続けなければいけないことなど、リアルな体験談を語った。臓器提供者を意味する「ドナー」の家族からの手紙も紹介し「移植者が生きているのはドナーが生きていた証し。僕とドナーの二人で生きているという気持ち」と話した。

 二人は講演後、交流サイト「フェイスブック」で募った臓器提供意思表示カード「ドナーカード」を手にした人々の写真を紹介。「臓器提供に同意するもの、拒否するのも一つの意志。重要なのは関心を持って考えること」と口をそろえた。