校章


 稲の穂の枠に囲まれたマーキュリー...

 これがわが校の校章である。これは創立の当初に定めらたもので、当時は農業と商業との両科を併置していたので稲の穂は農業をマーキュリーは商業を意味したものである。日本の農業は水田稲作が本体であるので、日本人の意識において農業を象徴するものは古来稲であり、稲の穂である。また商業を象徴するものは、世界に共通してマーキュリーであって、これは遠くギリシャの神話に源を発している。しかし、わが校の校章は、形の上において稲の穂とマーキュリーとの組み合わせであるが、この組み合わせは更に深い意味を含んでいる。

 これを極端に言えば、自然と文化との融合を意味するものであって、そこに一個の人間像を象徴しているのである。

 農業は人間生活の基本であって、広く人間の必要な環境としての自然を意味するものであり、商業はこの基本の上に営まれる人間的生活を物心両面より展開充足する機能すなわち文化を意味する。

 学校教育は、個人の完成とその社会人としての健全な生活能力を育成することを目的としており、特に今日においては、自立しつつ協同し、協同しつつ自立する人格をその理想の姿として描いている。そして、人間がその自然的環境を活用してその生命をまっとうする道と、善悪、正邪、美醜等の価値観念によってその生活を規制して人道をまっとうする道とは、その人格の中に融合調整されるべき要件である。言い換えれば、人間形成における自然と文化との融合調和こそ教育の本質であり、学習の指標でなければならい。

 職業教育の場として我が校は、その教育課程の特性を現わすと共に、それによって象徴される教育の目的が自治、責任、創造の校訓を通じて堅実に達成されることを念ずるがゆえに稲の穂の枠にマーキュリーを囲んで校章と定めたのである。